物理的に鳥の侵入を防ぐので、最も確実な被害対策と言えます。通常は防鳥ネットを使いますが、メッシュパイプや金網を使うこともあります。
鳥害対策と使用資材
鳥害対策は大きく分けて、「侵入防止」、「着地防止」、「捕獲」、「追い払い」の4種類があります。
侵入防止
-
進入を防ぎたい箇所にネットを張る方法。
【防鳥ネットの種類について】
防鳥用のネットには、少なくとも数十種類あり、どのネットが一番優れているということはありません。ご参考のため、材質、色、糸の種類や目合いの特徴について付記します。
材質について
ポリエチレン
軽量かつ耐候性に優れており、最も一般的でお勧めしています。
ポリプロピレン
軽量で安価ですが、長期の屋外使用には不向き。
収穫前、一時的に鳥の食害から農作物を守るために使用されることが多い。
ポリエステル
柔らかく、引張強度にも優れているが、若干高価。
開閉カーテン式ネットなどに最適。
色について
暗色系(黒、グレーなど)
天井など、暗い場所で使用する場合に最も目立たない。また、紫外線劣化を防ぐ耐候剤が入っている場合が多く、通常は他の色と比べて耐候性に優れている。
明色系(白、ベージュなど)
空や雲を背景として、室内から屋外を見渡した場合に最も目立たない。その分、室内の圧迫感を軽減できる。病室のベランダなど、室内の滞在時間が長い場合に好まれる。
目立つ色(緑、赤など)
倉庫のように大きな出入口に開閉カーテン式ネットを設置する場合は、車両の突っ込みを防止するため意図的に目立つ色を使うことをお勧めしている。
糸について
単糸タイプ
一般的には細く、軽量で目立たない。
マンションのベランダ一室など、小さな範囲にネットを張る場合に好まれる。
撚糸(ねんし)タイプ
複数の糸を撚っているため、同じ材質であれば、単糸よりも丈夫。
倉庫天井のように広範囲でネットを張る場合に使用されることが多い。
- メッシュパイプや金網で隙間を埋めて、鳥の侵入を防ぐ方法。
家庭用太陽光パネルの下など、小さな隙間で良く使用されます。 - メッシュパイプ
- 金網
着地防止
鳥の着地場所に設置し、着地できないようにする方法。
電気ショックシステム、スパイク、ワイヤーなど数種類あります。
- 鳥の着地場所に通電レールを張り巡らし、そこへ着地した鳥に電気ショックを与えるシステム。何度か同じ体験をさせることで、学習効果により鳥はその周辺を遠ざけるようになります。触ると瞬間的なショックは感じますが、微弱電流なので生体には何ら影響はありません。屋上などの着地防止対策として、最も高い効果を見込めます。
-
鳥の着地場所に針状の器具を設置して、物理的に停まりづらくする方法。スパイクは数多くの種類が市販されておりますが、大きく分けると、形状は「垂直型」と「斜行型」、素材は「金属性」と「樹脂性」に分類できます。着地防止として一番効果が高いのは「斜行型/金属性」。これを隙間なくびっしりと設置すれば、ほぼ確実に鳥の着地を防ぐことが可能です。
-
※注意こうしたことを理解せず、選択する種類や設置方法を間違えると、スパイクの上に鳥が巣を作ってしまうことがあります。
-
鳥が着地する場所にワイヤーを設置し、物理的に停まりづらくする方法。スパイクと比べて、効果は劣りますが、手すりなど、人が触れる可能性のある場所に設置しても安全です。
-
鳥の着地を防止する器材は、コイル、回転パイプや忌避剤など、他にも色々と種類があります。現場の状況に合わせてご提案させていただきます。
捕獲
鳥害被害が著しく、着地防止や侵入防止などの対策を施せない場合、捕獲を検討します。ただし、無許可で捕獲駆除することは、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」で禁止されております。バードブロックでは、法律に則り、市区町村の担当課へ捕獲申請を行い、有害鳥獣としての捕獲許可を得た上で、捕獲処分を行います。なお、管理当局の指示により、捕獲にあたって狩猟免許が必要となる場合もありますが、バードブロックでは狩猟免許所持者が多数おります。ご安心ください。
※注意 無許可で鳥を捕獲処分している業者もありますのでご注意ください。

追い払い
鳥は変化に対して警戒心が強いので、光や音波などを利用して、一時的に寄り付かせないことは可能です。しかし、通常はすぐに慣れ(学習)てしまい、再び戻ってきてしまいます。積極的にはお勧めしておりません。
※注意 視覚や聴覚などを刺激して、鳥を追い払うとうたう商品は数多く市販されておりますが、長期的に効果を発揮する商品は現状ではないと考えます。
